「おかえりモネ」と五常訓

連続TV小説「おかえりモネ」では、主役・清原果耶さん演じる永原百音が下宿する宮城県登米市の、夏木マリさん演じる新田サヤカ宅に掛けられている貞山政宗公遺訓(五常訓)が、時折ドラマのなかで顔を出す。

物語のなかで新田サヤカは伊達の血をひくお姫様で、山林地主という設定なので、登米伊達家の血脈をひいていることを表し、偉大な先祖の伊達政宗が残したと伝わる五常訓を掲げているのだろう。

登米伊達家は伊達政宗の奥州制覇を助けた白石宗実(しろいしむねざね)を出した白石氏がその基で、その功績から伊達姓を許され途中から伊達の血脈が実際に入り以後明治まで続いた。
ちょうど萩毛利家に於ける一門厚狭毛利家と同じ立場で、伊達家一門第五席で2万石、大名並の所領高である。

伊達政宗はいわば奥州王として秀吉、家康からも警戒され続け「最後に得た領域は仙台62万石でその生涯の働きに比べるといささか少ないと云えるのではないか。」と司馬遼太郎さんもその著作「馬上少年過ぐ」のなかで語られている。

政宗の母親・最上(もがみ)氏は弟を溺愛しその反動で政宗を毒殺しようとし、ついに政宗は弟を殺す、母は身の危険を避けて実家に逃げ帰る。

また政宗は敵に捕らわれた父親を敵に人質にされる前に射殺する命令を下している。

これらの凄まじい人生が、晩年になり中庸(ちゅうよう)を是とするような五常訓に繋がっていると云えなくもない。

・仁に過ぎれば弱くなる。
・義に過ぎれば固くなる。
・礼に過ぎれば諂(へつらい)いとなる。
・智に過ぎれば嘘をつく。
・信に過ぎれば損をする。

然し個人的にはあまりに俗な内容のような気がして独眼竜らしくないような気がするのだが。

◎これは図鑑で見るとコヒルガオのような気がする。
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