藤圭子さん「はしご酒」

今から40年以上前、演歌歌手・藤圭子さんのあのしゃがれた声の歌が、世のなかにあふれていたような気がする。
何か影を感じるような風貌と歌い方でそれが全体の雰囲気になり、世間が何かを感じ取っていた。

今年も少しサツマイモを植えようと思い、今日雨が降る前にと急いで畑の土作りに苦土石灰を入れて耕し、さあコーヒブレークと座りYouTubeを見ているとその若い日の藤圭子さんに遭遇した。

確か当時「青春の門」や「さらばモスクワ愚連隊」などで流行作家になっていた五木寛之さんが彼女の歌を「演歌」ではなく「怨歌」だと言って話題になった記憶があり、それほど特異で個性的な歌手だったような気がする。

私生活では色々と有ったようだがそれはさておき、彼女の代表曲で思い出せるのは
「夢は夜ひらく」
♪︎♪︎15、16、17と私の人生つらかった♪︎♪︎
「新宿の女」
♪︎♪︎バカだなバカだな だまされちゃって♪︎♪︎

などだろうか。ハスキーな声で独特な調子の歌声が響いた。

実はこれらの代表曲より私が一番好きなのは少し明るい感じの「はしご酒」で今まで一度だけカラオケで唄ったことがある。

この中に出てくる東京の、錦糸町、亀戸、小岩などは、若い頃東京に3ヶ月程度の長期出張に行き、千葉県船橋から東京の秋葉原迄、総武線の超満員の通勤電車で毎日通ったことがありなじみの地名だった。

藤圭子さんはギターを持って「流し」をしていたと聞いたことがあるが今ではカラオケにとって代わられ、死語になりそうなその「流し」が似合いそうな下町だった気がする。

1番から5番まである歌詞の最後には必ず
♪︎♪︎よってらっしゃい よってらっしゃい お兄さん♪︎♪︎

とあのハスキーボイスが流れる。

藤圭子さんにあの声でよってらっしゃいと言われると寄らずに居られないような気になるかもしれない。

当分カラオケとは縁がなさそうな日々が続きそうだが、コロナが終われば音痴ながら頑張って歌ってみたい前向きな気持ちが湧いてきた。

◎近くの畑の矢車草が咲き始めている。
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