日立、間接部門をスイスに集約

日経新聞の小さな記事に「日立、間接部門を集約 スイス子会社に 5年で1700億円節約」の見出が出ている。

小さな記事ながら、これを見てついに、いよいよ、という気持ちで記事にクギズケになってしまった。

日立製作所東芝と並び称される重電業界の雄だったが、共にどん底の状況を経て、東芝粉飾決算原子力発電事業などでもたつく間に、選択と集中を徹底して取り組むことでかつての栄光を取り戻しつつある。

この事業再編の中で海外事業の強化も進め21年3月期の海外売上高比率が52%、22年3月期が57%を目標にしている。この数字に驚きはないがさらにこの海外事業を進化させるため事業運営の基盤をグローバルに再構築する過程で、調達、総務、財務などの間接部門の機能をスイス子会社に集約するとのことは驚きと期待がある。

スイスの子会社は以前の経済ニュースにも出ていたがスイスの重電会社から部門買収して設立したもので、ひょっとしてここまで考えた上での買収と会社設立かと想像し、なかなかの戦略視点だなと思える。

何れにせよ衰退期に入ったとまで評される日本から脱け出し海外に会社の頭脳や司令塔、基幹業務を移管することは先見性がある人や企業なら当然考えると思われ、日立のニュースは、いよいよかと思わせるものがある。

中でもスイスというのが面白い気がする。金融の中心機能も持ち、何より政治的な思惑から無関係で居られることがこれからのグローバルビジネスにとって大きな利点になり得ると思われる。

私も電機産業で永年働いていた身で、日本の電機産業が再び世界に輝きを増していくことを願っている。
そのためには日本に全くとらわれることなく、徹底してグローバル企業に成りきることが必要と思われる。
日立がそのための先行指標になれば良いのだが。

こういう脱日本の動きの中で、これではいけないと日本の中で危機感が高まればそれが最も望ましいことなのだが。

◎歩きの傍らで見かけたのはシバザクラの仲間のようだ。
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