真備のお土産「琴弾岩(ことびきいわ)」など

コロナ騒動で緊急事態宣言が出されて、下宿中の孫の大学がリモート授業に切り替わったために、互いの予防も含めて実家の倉敷市真備町へ連れ帰るため、娘が久し振りに我が家へやってきた。

そのお土産に、2019年7月の真備町の水害から再建された和菓子屋さんの「竹の子」(白あん)と「琴弾岩(ことびきいわ)」(アルミホイールで焼かれた小豆あん)という名の和菓子をもらった。
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真備町の箭田(やた)地区には手入れの行き届いた竹林が拡がり竹の子(筍)が名産でつい先日も娘の嫁ぎ先から例年通り贈ってもらい、美味しく頂いたところだった。
この為「竹の子」の名前の由来は容易に想像できた。

「琴弾岩」が分からず娘に聞くとどうも「吉備真備(きびのまきび)」に関わる伝説に関係しているらしいとのことでそれを手掛かりに調べてみた。

奈良時代遣唐使から帰国後地方出身者でありながら右大臣という稀有(けう)な出世を遂げ数々の伝説に彩られている吉備真備はこの真備町の出身で元々の姓は下道(しもつみち)であり吉備姓は朝廷より下賜されたものである。
もとより真備町の名前の由来は吉備真備にある。

琴弾岩は今回の洪水の原因にもなった小田川の河畔にある巨石で、地元に伝わる言い伝えでは吉備真備は晩年故郷に帰り、この石の上で琴を弾いたことになっておりその伝説から「琴弾岩」の名がつけられここから和菓子の名前がとられたようである

然し吉備真備の墓とされる通称吉備塚古墳は奈良教育大学のキャンパス内にあるようで晩年故郷に帰ったとする地元の言い伝えには少し無理もある。

ただ吉備真備は右大臣の職を辞して死去するまでの4年間は記録がなく歴史から消えている。ここに地元の希望、言い伝えが残されている拠り所があるのかもしれない。
地元に帰って晩年を過ごして欲しいとの故郷の人々の気持ちが伝わってくる話と思える。

二つのお菓子ともコーヒーと一緒に美味しく頂いた。

◎これは菊科のハルジオンのようだ。
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