送電線を守る人

いつもの朝の「歩き」で行くコメダ珈琲店への道筋には関西電力の八尾変電所がある。
従ってこの周辺には変電所とINとOUTの関係になる送電線と鉄塔が結構な数で林立している。
八尾変電所
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珈琲店の帰り道、住宅傍に立っている鉄塔下でメンテナンス作業の準備が始まっており、あまり見たこともない様子なので興味が湧き少し離れたところから一連の動きを立ち止まって見た。

作業員は5名で内3名が用具を入れた肩掛けバッグ、危険作業と書いた赤旗、命綱を含むロープ類をフル装備、念入りに打ち合わせを行っている。

2名は地上でのフォロー要員で待機したまま、3名が鉄塔にある足場を使い登って行く。
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3層になっている送電線の各々にとり付く。
その各々の場所で道具類を固定、赤旗を掲げ、お互いの位置をロープで連結している。
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各々の階層の送電線と碍子(がいし)、連結部を送電線に跨がってチェックが始まった。
多分この作業の前に送電は停められているのだろう。
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地上から数十メートルの高さと思われるが、高圧電線と高さから来る2重の危険な状況下、プロの仕事としか言いようがなく頭が下がる。
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この作業を見ながらつくづくと考えたのだが、いま電力の自由化などと言って机上の論理だけで電力が安く供給出来
るような受け止めが一部にある。
しかし発電、送電事業はこの鉄塔のメンテナンスに象徴される地道な作業の積み重ねや、基幹技術の蓄積で成り立つものであり、このような基礎部分を忘れた表面的なものだけに目を奪われると大きな過ちとなるような気がしている。

個人的な事だが、私は電力会社のガス、ガス会社の電力といったものには当面お願いしないことを基本にしている。このメンテナンス作業を見てさらにその考えを強くした。