菜の花との出会い

最近本物の菜の花が咲いているのを見ることは、全くなかったように思うが、今年は歩いている最中に珍しく少しの菜の花が畑に咲いているのを見つけた。
多分この量からすると「おひたし」などの食用にされるのだろう。
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子供の頃、菜の花と言えば米作りの終わった後の裏作として菜種油を取るため栽培して、田んぼ全体が黄色で埋め尽くされているような景色だった懐かしい記憶がある。

菜の花から2つのことが思い浮かぶ。

1つ目は小学校で音楽の時間習った唱歌「朧(おぼろ)月夜」
♪♪菜の花畠に入り陽薄れ 見渡す山の端(は)霞み深し
春風そよ吹く空を見れば 夕月かかりてにおい淡し♪♪

生来の音痴で恥ずかしいが、今でもそのメロディーは記憶にしっかり残っている。

2つ目は菜の花忌、作家・司馬遼太郎さんの命日2月12日
司馬さんには淡路島生まれの廻船商人・高田屋嘉兵衛を描いた「菜の花の沖」という作品があり、また生前タンポポや菜の花などの黄色い花が好きだったことから名付けられたと聞いている。
本棚から探しだした「菜の花の沖
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私は今まで数え切れないほどの、小説、随筆、史料、評論、経済、技術資料等の本を読んできた気がするが、作者で一番影響を受けた人を挙げるとすると司馬遼太郎さんに行き着く。

私の中学生頃、初期の忍者モノ、大阪侍モノ、西域モノに始まり長編小説、紀行、歴史評論と続く、後に「司馬史観」と言われるようになる変遷を、ずっと陰で見てきた気がする。

たまたま歩きで菜の花を見かけたお陰で2つのことを思い返す良いきっかけになった。