うなぎ籠(かご)と厚狭川の想い出

畑で使用する用品を、通販・アウトドアのカテゴリーで見てみようと色々当たっていくなかで、たまたま「うなぎかご」「うなぎ筒」という商品が目に留まり釘付けになってしまった。

黒く着色した丸い筒状のもので直径が10~15cmくらい、長さが約70cm~1m、全体に穴があけてある。
かごの蓋は逆止構造で、入ることは出来ても出ることは出来ないようになっている。
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これはまさしく私の子供時代に小遣いを貯めて買った、竹で編んだ「うなぎかご」のプラスチック版である。
このプラスチック製のものより少し小ぶりだった気がするが、直径が10cm位で長さが70~80cm位だっただろうか。
蓋も竹を薄くして編んであり完全に逆止の構造になっていた。

小学校の近く通学路沿いに釣具屋があり、そこで買っていたが、確か100円弱位だったような気がする。

これが手に入ると心が浮き立ち、早速うなぎのエサにするミミズ取りに走る。
釣りのエサの糸ミミズは台所の排水口辺り、うなぎのエサの大きなミミズは草や稲藁などが積んである辺りと分かっており、勝手知ったる村の数ヶ所を廻ると充分な量になった。

夕方エサを籠に入れて、家から1km位離れた厚狭川に沈めに行く。沈めた後流されないように川石を使って重石にするのだが、子供の力ではなかなか上手くいかず結構大変な作業だったように思う。
・現在の厚狭川、「うなぎかご」を沈めていたのはもう少し上流だったような気がする。
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夏の朝早く引き上げに行くのだが、空振りも多く何匹か入っていたのは数回に1回位だったような。うなぎが入っていると父親がこれを捌いていたような記憶がある。

特に残念だったのは、新品の籠を手に入れて沈め、前日まで天気が良かったのに、朝起きてみると雨模様で流れが速くなって籠が流されており、折角小遣いを貯めたのが1日で無駄になり本当に情けない思いをした事がある。

子供の頃何かをした記憶は、半世紀以上経っても心の底で生きており、どうかした拍子に飛び出してくる。
現在の厚狭川には漁業権が存在するらしく、昔のように子供たちが勝手に川に入って、うなぎや鮎等を捕る事は出来ないのだろう。