山口県名産焼き抜き蒲鉾(かまぼこ)

私の初めての本は、山口県厚狭周辺の歴史などを主に書いているので、友人を通じて山口県在住の従兄弟さんに送って貰ったところ、丁寧な感想と併せ、山口県名産のかまぼこを贈って頂いて恐縮してしまった。

山口県のかまぼこはいわゆる「焼き抜きかまぼこ」が基本で、全体が焦げのない白色が特徴、半世紀前に大阪で初めて食べたかまぼこの表面に焼き焦げが付いていたのをみて、少し違和感があったのを覚えている。

私の子供の頃は日本海側の城下町・萩や童謡詩人・金子みすゞゆかりの仙崎が産地だと聞いていたが、今は私のふるさと厚狭の隣町である瀬戸内海側の宇部も有名のようで、頂いたものも宇部産であった。

焼き抜きかまぼこは主にエソという白身魚を擂り潰して板に盛り、それを板の下からゆっくり加熱することで焦げのないかまぼこに仕上がるそうで、子供の頃から親しんだ弾力と歯応えのある食感になる。
今までいろいろかまぼこを食べて来たが、山口県のかまぼこの食感はどうも特別な気がする。

このかまぼこは江戸時代毛利家の治世には既にあったらしく、長州藩の外交上の進物としても用いられた記録が残る。

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早速下宿中の孫も含め3人で、板かまぼこと麦わら(プラスチックストローではない本物の麦わら)を使った、す巻き(これは蒸しかまぼこ)の2種類を生で頂いた。
まさしく懐かしい弾力のある食感と味で、孫にも熱を込めて「焼き抜き製法」の特徴を説明しておいた。
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これらの原材料の記載を見ると、日本産エソ、米国産スケソウタラ(鱈)、アルゼンチン産ミナミタラ、と書かれておりここまで国際化が来たのかと今更ながら感じるところがあり日本の食糧自給率の低さが心配になってくる。