昨日はどうしても避けられない用事が出来て近江(滋賀県)の甲賀市まで出かけてきた。
奈良を抜ける西名阪自動車道を利用して、行きが1時間と少しの道のりなのだが、帰りは3時間半もかかってしまった。
梅林で有名な「月ヶ瀬」に架かる「五月橋」と付近の登坂車線のメンテナンス工事が行われて、車線規制で大渋滞の我慢の帰り道だった。
考えて見ると、西名阪自動車道は私の現役時代に開業し、無料の自動車専用道路で、特に大型トラックの利用も多く大分ガタが来て当然で、私も既にリタイアしたのだから、道路のメンテナンスは安全上必須な事だろうと前向き捉える事にした。
近江の南端にあり伊賀の国(三重県)と接している。都や旧東海道とも近いが山が深く独特の社会を形作ってきた。
連続テレビ小説「スカーレット」の舞台で焼き物の郷、「信楽」も含んでおり、聖武天皇が造営されたと伝わる紫香楽宮跡もある。
室町時代は南近江を治めた守護、六角・佐々木氏の勢力下にあったと言われるが、山深い郷のために直接統治は緩やかで、甲賀53家と言われる地侍集団の自治組織「郡中惣(ぐんちゅうそう)」が機能していた。
この地侍集団がいわゆる「甲賀の忍び」の源流で、隣接する伊賀の地侍集団「伊賀の忍び」と同じく諸国への出稼ぎなどで
戦国の世を駆け抜ける。
甲賀の地侍集団のバックにあった六角・佐々木氏は、織田信長の足利義昭を伴った上洛戦で、敵となり滅ぼされることになった。
隣接の伊賀も信長の「天正伊賀の乱」で壊滅、この地方の忍びの母体となった一揆や自治組織は、織田信長がこじ開けた、中世から近世への扉と共に、物語の世界のものになっていく。
歩きの途中民家の軒先の蜜柑と柿、どちらもそろそろ食べ頃?