中断中のひとりごと②逢魔が刻(おうまがとき)

今朝の朝日新聞第一面隅に載っている政府の広報で「交通死亡事故は日没後1時間に多発!」として交通事故防止の呼び掛けが行われている。

これを見て先日TVで見た時代劇専門チャンネル製作の時代劇「闇の歯車」でストーリーの要になっていた「逢魔が刻」を思いだし妙に時期が合っている事に少々驚く、
「秋の日は釣瓶落とし」の言葉通り、今の時期にピッタリ来るからだろう。

「逢魔が刻」は古来から黄昏(たそがれ)闇の出始める頃に魔物に出合う時とされる。

作家藤沢周平さん原作の「闇の歯車」は裏町の居酒屋に集う見知らぬもの同士が1人の仕掛人によって集まり、各々の闇の歯車人生が回り始めるのだが、この闇の集団が盗みに入る設定が深夜でなく黄昏の「逢魔が刻」、
盗みを終えた後、各人は各々の人生の魔物に出会う事になる。

藤沢周平さんの作品には、海外に駐在の折り随分お世話になり、一時帰国時に文庫本を買ってバッグに詰め込んだ記憶がよみがえる。この作品も文庫本で読んだ気がする。

昔の人は黄昏時、魔物に出会ったが、現代では魔物が交通事故に変わってしまった。