入学試験などへの気温の影響

昨日は朝から雨で「歩き」を止めて車でサンマルクカフェへ、
其処で手に取った「週刊東洋経済・7月11日号」で大変興味深い記事に出会った。

東洋経済」には毎号執筆者が異なる「経済学者が読み解く現代社会のリアル」というコラムがあり、今回は米ウイスコンシン大学農業経済学部博士課程在籍中で開発経済専攻の鈴木瑞洋氏が気温がもたらす大学入試への影響などを書いている。

その要点は
・ニューヨーク公立高校の卒業試験は公立大学の入試にも直結するが、この点数と試験日の気温を分析すると、気温の高い程点数が低くなる、
この関係は中国の大学受験生が受ける共通試験の結果と試験日の気温や、執筆者が行っているブラジルのデータでの研究でも同一傾向が見られる。

・裁判官が決定権を持つ米国への亡命申請の判決は、屋外の気温に左右されていることを示した研究がある。
判決は空調のある屋内で行われるが、プロの裁判官でも通勤中や休憩時間での屋外気温に影響を受けている。

・入試などの選抜は試験結果のみでは受験生の真の学力を測れていない可能性があり、学力の多面的評価が重要になる。

・日本のデータをさらに掘り下げるために、個人情報保護を前提にデータアクセスから政策提言へ繋げる土壌を整備する必要がある。

ページ数も限られたコラムなので具体的なデータの提示がなく
どの程度の相関関係なのか等、残念な所があるものの新しい知見でとても興味が湧く。

現役会社員時代、熱帯や亜熱帯の国で実際に仕事をしてみて現地の人、駐在の日本人等を通じ感じていたことは、
「気温は労働意欲に密接な関係がある」
という極めて当たり前のことであり、多分これは人間が持つからだの防衛本能から来ているのではないかと思っている。

この身に付けた肌感覚が別のテーマでデータ的に裏付けられようとしているところがとても嬉しい。

地球温暖化が環境問題に留まらず、人間の行動や思考にも影響を与え得る事を示唆しているようで、考えてみると恐ろしい話と思えてくる。

また、評価というものが多面的であるべきという執筆者の主張にも共感するところがある。

畑から今日の収穫
キュウリ7、ナス1、ピーマン3、トマト3、シシトウ1
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