ファクターX

ips細胞研究でノーベル賞を受賞した京大の山中教授が、日本の単位人口当たりの新型コロナウイルス死者数が欧米や世界平均と比べて非常に少ないことを、何か未解明の因子が働いていると予測し其をファクターXと呼ばれた事がマスコミを賑わした。

先日朝日新聞に掲載された6月21日現在の国別人口100万人当たりの死者数データをみると、
・死者の率が高い上位1~8位迄が欧米先進国である。
アジア諸国は欧米に比べ2桁少ない傾向がある。
・日本も同傾向で100万人当たり7.5人とヨーロッパ諸国の100分の1程度に収まっている。

当初は室内で靴を脱いだり、あいさつでハグやキスなどの習慣がない、マスクや手洗い習慣の有無など云わば生活習慣にその要因があるのではという見解が多かったように思うが、ここに来てこれらの習慣だけではこの大差を説明できないとの意見が増ており云わばこれがファクターXと考えられる。

誰しも思うのは、この要因が解明できればコロナウイルス対策が一段階前に進むはずだろう。
色々な情報から読み取ると、この要因の中で既に研究が開始されているテーマは次の4項目に整理される。

①肥満や生活習慣病の影響(アジア系の方が軽い)
結核予防BCG接種の影響(している国はしてない国に比べ死者が少ない)
③ヒトが持つ遺伝子の違いで免疫に違いが生じる
④交差免疫の影響(過去に似たウイルスによって生じた免疫がコロナウイルスも排除する)

これ等の一つが決定的ではなく相互に関係して影響しているとの考えも有るらしい。
またこれ等の影響を想定してみると一部で平行して研究や評価が進む既存薬のコロナウイルスへの効果も、素人ながらあり得る話かとも思えてくる。

何れにせよタイムリーで非常に有益な、また我々一般人にとっても興味あるテーマであり、予防ワクチンと併せて研究が進展することを大いに期待しながら見守りたい。

散歩道の並木下で咲いている可愛らしい花
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