タイの言葉「マイペンライ」

NHKBS1スペシャル番組「ストリートシェフinバンコク」という番組で懐かしいタイ屋台料理のアレコレが出てきて無性に屋台のセンミー(鶏スープ麺)が、食べたくなったが、それはさておきこの中で出てきた言葉、「マイペンライ」の話を。

番組の中で2度タイの人たちが「マイペンライ」と言っている場面が紹介されていた。
1、ベトナム料理の屋台からウーバイーツでオフィスに宅配したところ、とうもろこしスープが入っていなくて慌てて再配達した。その際のお詫び電話にお客さんから一言、「マイペンライ!」
2、ロヒンギャのおじさんの屋台で、常連さんに特製カレーをフリーで提供したところ、常連さんはフリーを断りお金を払って一言、「マイペンライ!」

タイは一般に「微笑みの国」として有名で、タイ人の気質の一端を表すが、一方言葉としては「マイペンライ」の国かもしれない。それ程日常的に頻繁に出てくる。

ペンライは少し弱い感じで問題があるという意味、マイは否定する言葉なので合わせてマイペンライは問題ありませんとなる。
(問題を強く意識した場合パンハ-と言う言葉があり例えば設計上の問題等具体的になってくるとマイ(否定語)ミ-(ある)パンハー(問題)で、問題ないを表現する)

マイペンライが使われる場面を日本語的に見てみると、
・大丈夫です
・気にしないで
・どういたしまして
・なんとかなりますよ
・大して問題ないですよ
のような状況だろうか。

例えばゴルフに行って、私が打ったボールが見えてない池に一直線、すかさずキャディーが「トクナーム」(トクは落ちた、ナームは水、全体で池に落ちた)ガックリ来ている私にキャディーが更に一言「マイペンライ!」、それを聞いた日本人の私は「打つ前に教えてよー」と更に落ち込む事になる。

また工場で、今日中に絶対船積みしなければいけない製品の完成に必要な部品が、届かないと報告に来た従業員が一言「マイペンライ!」、それを聞いた私は「これはいかん」と大いに慌て、焦ることになる。

多分タイ語の中で「サワデイー」のような挨拶言葉と同じ位の頻度で使われている「マイペンライ」だが、おおらか、気楽にといった雰囲気を含み民族固有の言葉となっており、理詰めでは中々日本人には理解が難しく、感性の領域にある懐かしいタイ言葉である。

タイに行って日本人が適切な場面で、タイ人に向かって「マイペンライ」と言うと多分タイ人は大喜びしてくれる筈である。

然し日本人の間でこのような意味を持つ日本語でやり取りしたらトラブルになること間違いなし。

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