ゆかりの人びと・山陽道厚狭の町③懐かしい方言②

5月15日の続き、「ゆかりの人びと」に記されている山口県厚狭地方の方言の数々のうち私の記憶のなかにあるもの。

・お前は東京の学校へいくげなが、遠いけいのう、ばあさまは、はあ、いつ死ぬかわからんけえ→お前は東京の学校へ行くそうだが、遠いからね、ばあさまはもういつ死ぬかわからないから。
・こりゃいけん→これはダメだ。
・あれだけ頼んでなら、いうことをきいておあげませ→あのように頼まれるのだったら云う通りにしてあげてください。
・一銭も残らんじゃせえがなかろうが→一銭も残らなかったら遣り甲斐もないだろうが。
・みんなまめかね→みんな元気ですか。
・こりゃどうか、こりゃどうか→これはおどろいた。
・やったのー→しめた!
・へんくう→偏屈
・やめさい、めんどうない→やめなさい、みっともない。
・バカなことをおいいんな→バカなことを言わないで。
・ちょうどしちょらん男じゃ→じっとしていない男だ。
・どこへおいでるかな→どこへ行かれますか。
・へたらちゃんと証明してくれた→そうしたらちゃんと証明してくれた。
・へて大阪のかまぼこを見せてな→そして大阪のかまぼこをみせた。
・不景気でやれんのう、戦争でもおこってくれんにゃおえん→不景気でどうしようもない、戦争でもないとやりきれない。
・車力(しゃりき)→人が引く荷車
・業(ごう)がわいた→腹が立った
・ほんといや→本当に?。
・わや→めちゃくちゃ。
・めえめの稼ぎでこしらえた→自分の稼ぎで作った。
・おれが育てちゃる→私が育ててやる。
・めいめの子と思うな→自分の子と思うな。
・難儀がらんでもお帰るいの、お帰りませや→悲しがらなくても帰ることが出来ますよ、帰って来て下さいね。

◎これ等は少なくとも私の深い記憶の底に実際にあるものを書き出してみたのだが、半世紀以上経過しているに関わらず今、何か昔の厚狭の景色や人の姿が、目の前に現れて来ているような気がしている。
今まで、山口県は比較的標準語に近い言葉を話すと勝手に思って来たが大きな間違いだと、いい意味で再認識した。

これ等の言葉のうち今でも使われているのはどれくらい有るのだろうか。

歩く途中珍しい金柑の実が成っていた。
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