ゆかりの人びと・山陽道厚狭の町②懐かしい方言

5月13日の続き。
「ゆかりの人びと」を面白く読んだ事の一つは私がふるさとで話したり、父母、祖母、親戚、近所、あるいは友達などから聞いていた懐かしい方言の数々がふんだんに出て来ているところにあると思われる。

折角与えられた機会なので、この本に出てくる山口県厚狭地方の方言のなかで、半世紀以上昔の事になるが、少なくとも私が使ったり耳にして記憶に残るものを、私の解説を付けてピックアップしておきたいと思う。

厚狭や周辺の出身者にとって懐かしい言葉がきっとこの中にあるに違いない。

・どういう字を書くか知っちょるかね。→どういう字を書くか知っていますか。
・なして浦島が嫌いじゃろうか。→なぜ浦島が嫌いなのだろうか。
・大根を洗うのにしあわせよりましたがの。→大根を洗うのに便利でしたが。
・ほんけとへや→母屋と離れ
・しっかり胴突(どつ)いちゃるけえ家は崩(く)えんそいや→しっかり突き固めてあるので家は崩れないよ。
・橋の流れたそを忘れておいでてじゃあ→橋の流れたのを忘れておられるよ。
・そのお金を金庫にいれちょくことはありますまいが、銀行に預けりゃちっとでも利子がつくそい→そのお金を金庫にいれることはないでしょうが、銀行に預けると少しでも利子がつくのに。
・体のほとびるほど湯に浸かっていた→体がふやけるほど湯に浸かっていた。
・いらうな!→さわるな!
・いいや、いらんもの買うな→ダメだ要らないものを買うな。
・きっぽ→傷のあと。
・ちったあくすねちょかんにゃー→少しはごまかしておかないと。
・こりい、こりい→夫が妻を呼び立て等目下の者への呼びかけ
・ほんはがいい→本当にくやしい(せつない)
・てごに来てくれんか、はよ行っちゃげい→手伝いに来てくれないか、早く行ってあげなさい。
・やめてくれてならええ、めんどうない→やめた方がいい、みっともない。
・やでないのう→やるせないなあ、うるさいなあ。
・小遣いをばあさまにおあげなさいませや→小遣いをばあさまにあげてくださいね。

〈残りの半分は長くなるので別に書くことにします。〉

ゴルフ場の進入路に咲いていた山ツツジ
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