原油の値段がマイナスに!!

ここ数日の経済が主体のマスコミ、日経やブルームバーグ通信等の報道には本当に驚いた。

ニューヨーク取引所でのWTI(西テキサス油種)の直近5月に決済される先物価格が一時1バレル、マイナス40$で取り引きされたとのニュースが流れた。
これは1バレル(約160リットル)の原油を売り手は買い手に現金40$を付けて渡すという事である。

3月23日のこの日記に「原油価格が凄い事に」と題して年初60$前後であったWTI価格が20$を割り込む迄になった事を書いたがその後1ヶ月で更に物凄いことが起きている。

種々の報道から自分なりに情報を整理してみるとこの要因は以下の事などがあると思われる。

コロナウイルスで経済が停滞し石油消費量が激減している。
産油国の協調減産が各国特にサウジアラビア、ロシア、等の思惑で出遅れ、漸く成った減産量も需要減に全く届かない量であり需要と供給のひどいアンバランスが生まれている。
・この背景の一端には一度原油生産を止めると再開には多額の費用と時間がかかる事や米国シェールオイルに対する各国の思惑がある。
・供給過剰のなかで原油を貯蔵するタンクやタンカー等装置の限界が近づいている。
・取り引きは実需のみでなく証券や投信を介しており決済時に需要がない状態で現物が渡されると貯蔵に困るケースがありこれが投げ売りに繋がる。

5月決済分はいったんプラス域に戻したようだが次の6月分も動揺しており、これが世界各地の原油取り引き価格に波及しつつあり予断を許さない。
種々の経済指標の推移には現役時代を含め永年関心があるが、これ程の変化を見ることは過去無かったような気がする。

石油は経済や産業の根幹を成すものでありこの不安定は、産油国、消費国を問わず世界レベルの経済不安に直結し、結果的に各国の政治も不安定化する可能性を持っている。
大きな動乱の先行指標でなければ良いのだが、何れにしろコロナウイルスの押さえ込みが先決なのだろうが、、、。

ついつい私の中で正常性バイアスが働き、車のガソリンが安くなって嬉しいと思ってしまうが、この後に来るものをしっかり想像すると、喜んでいる場合ではない。

🔘今日は鴨の親子に出会えなかった、残念。