故郷へ帰る準備中の「真鴨」との対話

昨年12月13日のこの日記に「冬鳥真鴨集団に遭遇」として大陸から越冬の為に渡ってきた真鴨に出会ったことを書いたが、この真鴨がそろそろ故郷に帰る頃だと思い、昨日夕方まだいるかどうか確かめに平野川沿いを歩いてみた。

以前一回の歩きで11羽に出会ったが今日は計7羽だった。
12月に見た時は旅で体力を使った加減か、皆ほっそりしていたが今見ると一回り以上からだが大きくなっており故郷への旅立ちに向けて着々と準備中のように見える。

2つのツガイが一緒に行動している。
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川の端にある草を食べている。鴨は雑食で植物、虫、貝などを餌にしているらしい。
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鴨は潜りが出来ないらしく水中の水草や虫を食べる場合は首を水中に突っ込んだり逆立ちして尻を上げる。
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鴨の体は羽毛が密集し更にその内側には綿毛がびっしり生えており、この羽毛に尾羽の内側から出る油脂を鴨自身がくちばしで塗りつけることで撥水性を確保し防寒、防水のシステムが完全に出来上がっている。

何れにせよこれから夫婦で数千キロを旅し、東部ロシア、樺太カムチャッカ、千島列島などへ帰り繁殖子育てをする筈で、それを思うと本当にご苦労様と言いたくなる。この為のエネルギーを今せっせと皮下脂肪や肝臓に溜め込んでいるはず。

鴨は地上では見るからに鈍臭いよたよた歩きだが、空中ではおよそ時速70kmものスピードが出せるらしく、あの表情には見くびって貰っては困ると言う自信の程が垣間見える。

また鴨の寿命は約30年位らしいが、仮にロシア東部と日本間約5千kmを翔んで来るとして往復1万km、30年で30万km、生涯に地球を7周半翔ぶことになる。
これに比べたら人間が生涯に見る景色など物の数ではない。