NHKTVで「アナザーストーリー」という番組がある事は知っていたが今まで全く観た事がなく、番組宣伝で「イムジン河」をやるとのことで俄然興味が湧き録画した。
若い頃フォーククルセイダースが歌っていた記憶があり、更には井筒和幸監督の映画「パッチギ」では、メインの音楽に採り入れられ、音痴の私にも感じられるきれいな流れるようなメロディーで心に残っているが、反面歌詞には多少違和感もあった。
番組宣伝を見て、私が感じたメロディーと歌詞のギャップが解消するのではと思ったのだが、色々な視点からこの「イムジン河」の知らなかったストーリーが出て来て、少し答えに近付いたような気もしている。
①元々原曲は朝鮮で作られたもの。
②フォーククルセイダースと一緒に仕事をしていた日本の作詞者が、在日の方から教えられた原曲には一番しかなかったので二番以降を作詞追加完成した。日本の作詞者は原曲は朝鮮民謡だと思い作詞作曲者が別に居ることは全く知らなかった。
③レコード発売直前、朝鮮総連からの抗議で発売中止に追い込まれた。総連の抗議は原曲の作詞作曲者が明示されていない事にあった。この抗議をきっかけに曲が表舞台から消える。
④この発売中止の悔しさからフォーククルセイダースが直ぐに作って歌った曲が私もカラオケで歌う「悲しくてやりきれない」らしい。
この悲しくての原点がどこにあったのか少しだけわかった。
⑤この曲が表舞台から消えたことを惜しんだ、京都のオーケストラが北朝鮮を演奏訪問する際にアンコール曲として選んで演奏した事が、北朝鮮帰国事業で現地ウオンサンで暮らしていた日本人妻や元在日朝鮮人の心に伝わった。
⑥私の好きな歌手キムヨンジャさんもこの曲に魅せられた一人で、北朝鮮で行ったコンサートでこの歌を歌い、其が拉致被害者蓮池薫さんの耳にも届いていた。その後紆余曲折がありながら紅白歌合戦でもこの曲を歌い、今も韓国で歌い続けている。
番組が終わってキムヨンジャさんのイムジン河をYouTubeで聞いたら涙が出てきた。
◎歌にも歴史とストーリーがあることがよくわかった。特に京都オーケストラのエピソードやキムヨンジャさんの話は感動的で記憶に残る番組だった。