ダイナミックプライシング

私は雨のなかでゴルフをするのは、「ご免なさい」の口で出来ればキャンセル料を払ってでも止めたい方だが、コンペなどでは雨でもプレーせざるを得ない場合がある。だから寒い雨の日と、秋晴れの気持ちいい日のゴルフの値段が同じなのはどうもおかしいと常々思っている。
同じ思いの人は結構多いと見えて、ホームコースの月例競技など雨の日は参加者が決まって少ない。
然し知人のなかには雨は全く気にならないと言う人もいるのでなかなか難しい。

日経電子版に、膨大な情報をAIで取り込み価格決定に時間の要素を取り入れ、刻々と価格を変えていくダイナミックプライシングが取り上げられており、無駄や廃棄を押さえ、人間の欲望を刺激し利益の拡大を目指すことが紹介されている。

時間帯等によって価格が変わる一物多価は航空券やホテルなどでは広く認知されてきたが、スーパーマーケットの夕方のセールや家電量販店の他店より値引きします、などもこれの走りと言えるかもしれない。

もし私がゴルフ場の支配人だったら真っ先にこの方法を取り入れ、季節、天候、曜日などを含めたデータを活用して、最高と最低コンディションの日のプレー費差を大きくして設定してみたいと思うのだがどうだろうか?
個人的な感覚では最高値を現状の1.2倍程度とし、最高と最低との差は2ー3倍位付けてもいいのでは、これによって客数の平準化も達成出来るはず。

海外では既にイスラエルやイタリア等でスーパーの食品廃棄を減らす為にAIを使い成果が出ているとの事らしい。

スーパーやコンビニで食品廃棄を減らす取り組みは当然既に行われていると思うが、例えばクリスマスケーキにしろ、節分の恵方巻きにしろ先程売っていた値段の10分の1の値段に人間が切り替えることはなかなか難しい。人間の持つ変化を嫌う習性「正常性バイアス」「現状維持バイアス」のゆえでありこれを機械に受け持たせる事に大きな意味がある。

ダイナミックプライシングでは価格の意味が薄まり価値判断ができない人を生むリスクも有る事が記事に書かれているが、私はむしろ、過疎地や交通不便な地域の生活必需品価格が高騰することの弊害を心配する。この当たりは経済性ばかりで判断できないところもあり要注意だが、徐々にこのような手法が拡大していくことは間違いないと思う。