中国石油需要急減の衝撃

昨日のブルームバーグ通信が配信した中国石油需要が急減していると言うニュースは、小さく取り上げられただけだが私から見るとその減少幅が衝撃だった。

コロナウイルスの問題で、日本への帰国者の発生率から見て中国の罹患率があまりに低いので実態はもっと混乱していると個人的に推定していたが、通常日量1400万バレルの石油消費量が僅かな間に300万バレルも減少しているとのことで減少幅は2割を越えている事になり、混乱の度合いが半端でないのがよりはっきりしてきた。

元より春節での移動制限や工場の操業制限が伝えられていることから需要の減少は当然のことで原油価格はこれを見越して下がっている。
中国の石油消費量は、日本、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、インドネシア消費量合計に匹敵するらしく世界最大の石油輸入国である。
現時点でその2割以上の消費がなくなっているということは、当面需要減が継続することを想定するとこれから凄まじい影響を自国や世界経済に与えるのではないか。

中国人民銀行が2月3日から市場に多額の現金を供給した為もあり、株価は持ち直しの動きが見られるが私の個人的な見方は悲観的で、これ程の石油需要の変動からすると金融政策だけで実態経済をカバーすることは不可能で、日本も含めこれから広範囲な影響を覚悟しておく必要があると私は見ている。

早くウイルス問題の終息を願うばかりだが、私にとって今の局面は経済の実際を学ぶ貴重な場とも言える。