「スカーレット」の喜美ちゃんに教えたいこと

連続TV小説「スカーレット」も佳境に入り主人公喜美ちゃんの離婚の危機、経済的困窮のなかで、女性陶芸家へ向けて穴窯成功への正念場に差し掛かっている。

昨日までのシーンで失敗を繰り返し、温度、時間、薪の入れ方、排気口の大きさ、土の種類、窯の中の配置等を色々変えてチャレンジしている。
このシーンを見ていると突然に現役時代の記憶が甦ってきた。

若い時品質管理の仕事をしており、当時はまだ品質管理の考え方が米国から導入されて日が浅く、何をするにも前例が少なく手探りだった。「実験計画法」と言う新しい手法があることを知り、会社に頼んで講座を受講させて貰ったがこの講座は東京しか開催がなく、確か1ヶ月に一週間ずつ半年くらい大阪から東京に通った、仕事の持ち分もありこの間結構ハードであった。

この手法が正に今、喜美ちゃんがトライしている色々な条件のうち何がどのくらいの割合で影響しているのか少ない実験回数で探り当てるもので、これで穴窯にトライすれば苦しい費用の捻出が多分半分位で済むのではと画面の喜美ちゃんに是非教えたい気になってしまった。

普通TV等で芸術家を描く場合、感性で全てが決まるような演じ方をする事が多いがこの番組の、八郎がしていたタイルの風合い出しや、喜美ちゃんの穴窯による色出しのように、条件や方法を変えながら科学的な知見を交えて目標に至るのが実際の姿ではないかと思う。

娘に似ている(と昔から勝手に思っている、ただメガネをかけてない状態で)水野美紀さんが演じる、ちや子さんが再登場してきて多分なにがしかの影響を喜美ちゃんに与えると思うのだがそれはまた次の機会に。