庭にモチの木があり冬の盛りの今頃赤い実を付ける。
ずっとモチの木だと思っていたが調べてみると、葉の曲がりや実の大きさから見ると同系のくろがねモチのようだ。
くろがねモチの赤い実
冬の真っ最中に赤い実を付ける事から、時節柄エサ不足に困っている野鳥が例年実を食べに集まってくる。
鳥達は何れも用心深く、人が近付くと必ず直ぐに飛んで行く。
時間のある時、途切れ途切れに廊下の窓から観ていたが鳥にも序列があるようで、雀の仲間のようなムクドリ、ヒヨドリ、ツグミのような小鳥はお互いに争いながらもなんとか共存出来ているがここに鳩の仲間が来るとお手上げで完全に蹴散らされてしまう。
小鳥を追い払い辺りを威圧しながら実を一人占めの野鳩(?)
鳩は大抵2羽のツガイでやって来るようで小鳥と違い人間をあまり怖がらないが、然しこれがカラスに見つかると大変で、先日もカラスが仲間を集めて鳩を総攻撃、追い回していた。
どんな処でも生存競争は誠に厳しい。
ところである程度の年齢の人ならわかると思うが子供の頃「鳥モチ」と言う粘り気の多い灰色の材料がありこれを竹先に着けて稲刈りの頃などに田んぼに差して小鳥を狙った記憶があり、
大変スリルある遊びだった気がする。
この鳥モチが、モチの木の樹皮から取れるもので今は野鳥保護の為禁止されているらしいが刈り取られた稲田の風景と共によみがえる懐かしい記憶の一片である。
更に古い時代、鳥モチを使って鳥を捕まえる職業や大人の遊びがあり、藤沢周平さんの時代小説にも出てくるがこれを「鳥刺し」といった。
あたりまえだが美味しい「鶏刺し」ではない。