星宿海

NHKBSの再放送番組で「黄河源流への旅・星宿海」を録画で見た。中国黄河の源流を訪ねて行くドキュメンタリーで最後が青海省の高地にある星宿海である。

高地に無数の湖沼が集まる云わば日本の尾瀬ヶ原の超拡大版のような素晴らしい景観が広がる。以前はここが黄河の始まりと言われていたが今は更なる奥に源が有ることが分かってきた。

私が初めて星宿海の名前を聞いたのは20代の頃、宮本輝さんの小説「星宿海への道」を読んでからで宮本輝さんは「蛍川」で芥川賞を取ってまだ日も浅かったのではないかと思うが、星宿海に憧れを持っていた不遇な生まれの兄が中国で失踪、それを弟が探すことを軸にした悲しい物語だったような気がするが完全には思い出せず確か購入していた気がして本棚を探してみたが見つからなかった。

中国では水と星がつながる七夕のような天空伝説が多いが、星宿海もその一つで、ここから無数の星がある刻に生まれて天に昇っていくと言う伝説がある。あのたくさんの湖沼を見るとそれが星になると言う想像は充分に説得力がある。

余談で同じ例を一つ。私のカラオケの持ち歌、都はるみさんの「古都逍遙」の歌詞に有る「銀漢冴えて水清く」の銀漢は天の川の事だがこれは、天の川は中国に有る川、「漢水」の気が立ち昇って出来たとの伝説に由来する、唄う場合やはり天の川より銀漢の方が様になる???