阪神タイガースファン

大阪に住んでもう半世紀だが今でも不思議に思う事のひとつが周囲の阪神ファンの存在である。と言うと周りから巨人ファンか?と言われるが決してそうでなく、どちらかと言えばアンチ巨人で巨人・阪神戦では心情的には阪神が勝って欲しいが、かといってあの熱狂的な阪神ファンからは身を引いてしまう。

シーズン中に喫茶店に寄るとスポーツ新聞片手に、昨日の試合で勝っても負けても大きな声で阪神の選手、監督の批評に余念がない人が必ずいる。

大阪人はずっと昔から阪神タイガースを応援していたのだろうと思っていたが、            今読んでいる [ 大阪的「おもろいおばはん」はこうしてつくられた。井上章一幻冬舎新書刊 ]  に依れば、どうもそうでは無いらしい。

1960年代は「巨人、大鵬、卵焼き」の時代でテレビは巨人戦以外の放送がなく地元の阪神間でも阪神タイガースにこころを寄せるものは比較的少なかったらしい。

事態を変えたのは1968年に設けられたUHF局サンテレビが番組の埋め草として阪神の全試合完全中継に乗り出してからで、更に1971年から大阪朝日放送のラジオで「おはようパーソナリティー」で中村鋭一アナウンサーが登場、公平中立を捨てて阪神を応援することを売り物した辺りとのことである。また、この放送が「六甲おろし」をメジャーにしてしまった。

何れにせよこの背景にあるのは大阪人の地域愛と多分私も同じアンチ巨人アンチ東京ではないかと思うのだが。

それはそうとして私のささやかな希望は喫茶店で静かに新聞・雑誌を読む、この憩いのひとときを大事にしたいだけなのです。