食品のトレーサビリティ

朝日新聞を購読していると月に1回「朝日新聞グローブ」が附録で付いてくる。

どうも題名はグローバルから来ているようで世界の色々な動きが掲載される。その最終紙面はいつも必ず三菱商事の全面広告で「Global Now」の表題で三菱商事の活動をキーワード付きで掲載している。

10月号のキーワードは「トレーサビリティ」で食品の栽培や飼育から加工、製造、流通等の過程をさかのぼって追跡できる仕組みを書いている。

元々、「トレーサビリティ」は追跡可能性と訳され工業製品で先行したもので国際標準化機構・ISOでは認証登録に必須の考え方で、私も現役時代これには大変苦労した思い出がある。  特に安全性に関係する問題の発生時に問題の範囲や大きさを把握し適切な対策につながると共に事前の発生防止に役立つ。

この企業広告では今、食品でも持続可能な調達活動で環境や働く人への人権に配慮したものが求められるとしてそれを裏付ける「トレーサビリティ」について説明している。

◎食料自給率が低く海外に主要な食品原料を求めざるを得ない日本としては重要なキーワードではあるが、海外でこの「トレーサビリティ」のシステムを構築することは、例えば地元零細農業者と直接向き合うことを意味し私が海外で働いた経験からしても余程難しいと想像がつく。

特に労働者の人権については最近発展途上国の若年(子供)労働など急激に関心が高まっておりこれが問題化すると調達側の企業や国までも影響を受けるため難しいながら避けては通れない。

このような人の目に触れにくい海外にまたがる地道な仕事で、我々の「食」が日々維持され、また海外からの日本の「食」への信頼性が確保されている。