ニューヨークに駐在しレポーターを勤めたり、紅白歌合戦の司会もこなし、極めつけはやはり「あさイチ」で井ノ原快彦さんと共に勤めた進行役だろうか。
あさイチはいつも見たわけでなく朝の時計がわりにつけているTVで横から時々話している姿や声が聞こえる感じだった。然しその存在感は立派なもので時折出てくる俳優等ゲスト達を圧していた。その根元は多分思ったことをズバリ言ってしまう、飾り気のない人柄と知識なのだろうと思っていた。
その有働さんがNHKを退社することになり現在は民放の情報番組に出演されているのは周知の通りだが今読んでいる「ウドウロク」新潮文庫版 はこの退社前後も含め書いたエッセイをまとめて出版されたもので、素のウドウさんが行間ににじみ出ている。
1、当時世間を騒がせたあさイチでのわき汗事件 、 ブラウスについたわき汗で視聴者からクレームと擁護する両方のファックスが大量に来てしまった件。…ーーその開き直りがすばらしい。
2、50代の視聴者から「さりげないほどほどの美貌」という滅多に来ないお褒めのメールが来てしまい…ーー「喜んでいいやら悲しんでいいやら?」という感覚が秀逸。
3、「ウドウロク」は逆さに読むと「クロウドウ」らしいがその「クロウドウ語録」の1つを紹介すると。
綾瀬はるかさんがあさイチでゲストの際 視聴者から「どうしたらそんな風にきれいな肌になれますか?」と多数の質問が来て「ま、同じことをしたからって、綾瀬はるかになれるわけじゃないんですけど、一応教えてあげてくださいますか?」と言ってしまった。…ーー素でクロになれる人はなかなかいません。
心の内では「シロウドウ」と「クロウドウ」が交錯しているらしいが私としては50歳を越えても出来れば「クロウドウ」を貫いて欲しいと思っている。