日本酒「酔鯨」

私のアルコールとの付き合いは夏はビール少々、冬はワイングラス一杯程度であり当然ながら日本酒の味について語る資格はありません。

然し日本酒はそれぞれの名前に意味もあり歴史もあることから目についた日本酒の名前には興味があり出来るだけ理解しようと努めている。

高知の酒「酔鯨」を初めて知ったのは友人と行った居酒屋に名札があったからだが、友人がこれを頼んだ際に私は、高知の酒で「酔鯨」なら土佐藩主・山内容堂に由来しているのではないかと言った。

帰宅して気になり醸造元を調べたらやはり当たりで幕末の土佐藩主・山内容堂が酒好きで「鯨海酔侯」と号した由来から酒の名前につけたとの事で思惑とピタリだった。

大酒を飲むことを鯨飲ということや土佐沖での鯨漁に懸けていると思われる。

司馬遼太郎さんの小説に「酔って候」という作品があり、まさしくこの山内容堂を書いたものだが、これを読むと、思想的に倒幕とは程遠くむしろ幕府寄りに近い指導者山内容堂を擁しながら最終的に薩長土肥の一翼を担うことになってしまう土佐藩の組織構造と葛藤が見えてくる。

最近用事で大阪へ出た折りにその居酒屋に寄り「酔鯨」を試しに飲んでみたところ名前の割には呑みやすい酒と感じたが所詮下戸の判断です。