首相在職期間1位 桂太郎

安倍首相の在職期間が長くなるにつれ歴代の日数が世間の話題に上がり、今日8月24日には大叔父で歴代2位であった佐藤栄作氏(2798日)を抜いて単独2位になった。残るは歴代1位の桂太郎氏(2886日)であり、今年11月20日迄在職すると自然に1位になる。

永き故に尊からずは当然としても、4位の伊藤博文まで在職1位ー4位を長州・山口県出身者で占められて居ることに山口県出身者の一人として多少の感慨を覚える。

今まで桂太郎のことは日露戦争時の指導者として映画やTVの御前会議のシーンで登場して知っていたがそれ以上の知識はなくこの際と思い、桂太郎関係の本から

千葉功著 「桂太郎中央公論社刊   を入手して読み終えた。

長州藩で桂家と言えば名門上士で戊辰戦争を経て日清戦争にも従軍、同郷の伊藤博文山縣有朋の引き立てもありドイツ留学し陸軍軍人から政治を志す。3度の政権を担当し外に帝国主義を実践、日英同盟の締結、日露戦争を勝利に導き、韓国併合を断行する。

内にあっては立憲主義を標榜して緊縮財政を目指すとともに新政党の立ち上げにも関与する。

これらの過程で長期の政権担当を可能にした「ニコポン」と呼ばれる調整形政治家の実像が見えてくる。ちなみに「ニコポン」とは桂が相手を説得するときニコニコ笑いながらポンと背中を叩くと誰もがぐにゃぐにゃになって丸め込まれたことによるニックネームである。

帝国主義は現在では否定される政策だが当時の世界情勢のなかでは別の評価がされるべきもので、さまざまな姿が見え隠れする桂太郎だが郷里の突出した一人であることは間違いない。