餃子の話

今日の日経新聞、漢字学者の阿辻哲次さんのコラム「遊遊漢字学」で餃子が取り上げられている。その抜粋は

「日本では餃子はメインデイシュにならないが中国ではほとんどの場合主食でありまた餃子と云えば水餃子のことでランチではそれだけ食べるのも珍しくない。」

「餃という漢字が文献に表れるのは宋代で1039年に出来た「集音」という発音引きの字書には餃は飴なりと書かれているがこの飴はアメでなく白玉団子のようなものと考えられる。」

「餃の音読みはコウで、ギョウと読むのは山東省の方言が定着した結果と思われる。」

◎私は現役時代中国上海で生産工場を担当した時期があり、その時の昼食は工場の食堂でいつも中国人の工員と一緒に食べたが定期的に主食用の水餃子が出てきた。お椀に熱々山盛りでいつも食べきれないので盛り付けの人に言って減らしてもらっていた。  そうすると盛り付けの人は私を見てこれくらい食べれないのかと不満げな顔をしてその後ニヤリと笑った。後から周りの中国人に聞いたところ盛り付けの人は私に気を使い多目にいつも盛り付けていたらしい。

水餃子は日本のものの倍以上皮が厚く主食と感じさせるもので中身で分かるものはニラと少量の豚肉位か、これを醤油ベースのようなタレを垂らして食べていた。

あの小麦の皮のボリュームからすると餃が白玉団子といわれると妙に納得してしまう。

 また日本人がギョウザと呼ぶルーツが山東省にあるとのことだが確かに近代日本は山東半島に繋がりが深く第一次大戦の際ドイツに宣戦布告、山東半島に出兵しドイツが持つ権益を接収、戦後これを受け継ぎ青島等に日本人が多数住み着いた。また中国革命後の混乱期にも日本人保護で出兵している。これらの歴史をみると山東方言が日本に定着するのが納得できる。

何れにしろ日本の「眠眠」や「王将」でコーテルリャンガーと掛け声の掛かる焼き餃子は独特のものでもう日本食といえるのかもしれない。

そういえば上海の中国人中心の繁華街に九州発祥の「天手古舞」という小ぶりな日本風餃子を出す、店があったが今はどうなっているだろうか。懐かしい。