ラガルドさんと東日本大震災

2011年3月11日の東日本大震災の直後、投機からの急激な円高が発生した。直前迄確か1ドル80円半ば位だったと思うが地震後数日には瞬間で75ー76円台になり、当時私はあの津波の映像と原発の動きが慌ただしくなるなかで、日本はこの危機に乗じた外国のハゲ鷹どもにやられて経済的に更に追い詰められると心底思った。

然し思いは杞憂になり、翌日にはG7が介入するニュースが入りほぼ地震直前迄の水準に一気に戻った。

先日、次期ECB(欧州中央銀行)総裁に現IMFトップのクリスティ―ヌ・ラガルドさんが内定したとのニュースが流れた。

コメダ珈琲店で読んだ週刊文春7月18日号のなかにラガルドさんの記事があり当時のG7の為替協調介入を主導したひとりがフランスの経済財務大臣だったラガルドさんであったとのことを初めて知って心から感謝する思いである。

インタビューで当時を振り返り「あの時公平性と尊厳のようなものに突き動かされたといった方が正確かもしれません。我々は地震を止めることも津波をコントロールすることも出来ません。しかしながら円高について明らかに何かやりようがあったのです。」 と述べておられる。

停滞が続くEU経済の舵取りのなかで色々な苦しい局面があると思うがその時こそ日本が受けた恩を今度は返す番だろう。

常に女性初という仕事にチャレンジしてきたラガルドさんだが女性初のフランス大統領という栄誉が次に待っているものと期待している。