まあまあ・ふうふう

今日コメダ珈琲店で読んだ週刊新潮に女優の八千草薫さんが出版されたフォトエッセイ「まあまあ・ふうふう」の記事が載っておりこの懐かしい題名で、中国へ駐在した時代が突然よみがえって来た。

八千草薫さんは我々の一世代前の女優で「男はつらいよ」のマドンナ役も演じ知性派女優の一人だったような気がするが近年ガンと向き合っておられるらしい。

このエッセイの題を「まあまあ・ふうふう」としたのは夫から「いい加減に生きなさい」とよく言われていたからとの事である。

「馬馬・虎虎」(マーマーフウーフウー)は中国宋の画家が頭が虎で体が馬の絵を描き、虎なのか馬なのかを問われたのに「馬馬・虎虎」(マーマーフウーフウー)と答えた事に由来しその意味はいい加減、適当な、まあまあ、であり音感と意味がうまくマッチングしている。

現役時代、中国上海の工場で働いていた折り、構造設計を担当する胡課長(現地語読みでフーさんと呼んでいた)が仕事の進捗を尋ねる私に出来映えを「マーマーフウーフウー」とゆったり言っていた。あれは几帳面すぎる完璧主義者の日本人を少しばかり牽制する気持ちがあったのだろう。

民族の気質の違いを柔らかい音感で乗り越えさせる面白い言葉である。