今日の朝日新聞の広告欄に作家伊集院静さんの「女と男の絶妙な話」という本の広告が載っている。
週刊文春の人生相談で伊集院さんが独特の語りで回答する人気コラムを単行本にしたものらしい。
私も喫茶店で週刊文春を見るときは必ず読んで時折ニヤツとしている。
広告のキャッチフレーズのひとつに「すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる。」と書かれている。確かに以前週刊誌で見たときこの決めセリフの回答があった気がする。
これは老荘思想のいわゆる「無用の用」から来ていると思われる。
<本当に大きな用を成し遂げるものは目先の用に役立たない様に見える。---
人の用に役立たない木は伐採されることなく大木になり人に日陰を与えたりご神木となりうる。>
私がこの「無用の用」という言葉を知ったのは定年退職後、受講した大学での公開講座であったが授業の後、車で帰宅中にもとても興奮したことを覚えている。
今まで何となく漠然と心にあったことを簡潔に言葉で示して貰った思いであった。若い折りは役に立つことを目指してそれなりに励んできたが、すぐに役に立たないことにも其なりに意味があることが漸く少し理解できるような年齢になったという事でしょうか。
私の好きなゴルフや歴史の勉強も「無用の用」 で、すぐに役立たない事の言い訳になる
不思議な言葉です。