NHKBSプレミアムで放送された1990年の米映画「ドライビング・MISS・デイジー」を録画して観終わった。
観終えて少し心が温かくなるようなヒューマンドラマと言えるかもしれないが、1990年のアカデミー賞作品賞を受賞していたことをあとで知りなるほどと納得するものがある。
老女・デイジーを演じていたのがジェシカ・タンディという女優さんで、この映画でアカデミー賞主演女優を受賞したとのことで受賞時の年齢80歳は高齢の記録になるらしい。
永年勤めた教職を引退したユダヤ人の老女・デイジーが車の事故を起こしたことをきっかけに息子のユダヤ人実業家が運転手を雇いデイジーのところに送り込む。
やって来たのがモーガン・フリーマン演ずる初老の黒人運転手・ホーク、金持ちぶっていると見られるのが嫌なデイジーは悪態をついてホークの運転を拒否し続けるが、誠実に飄々と仕事に就くホークに根負けしてついにどこへ行くにもホークの運転を頼るようになる。
映画の舞台になっている1940年代は黒人差別がまだ激しかった時代で、白人社会のなかでもユダヤ人蔑視の気風もあり、両者はそのような風潮の中で25年に渡る友情を育んで行く事になる。
デイジーが認知症を発症して老人施設に移り、ホークがその施設を訪れて老齢の二人が友情を再確認する場面で映画は終わる。
老夫人と運転手、人種差別、老化・認知症など本来暗くなり勝ちなところを観るものに希望を抱かせるような展開ストーリーはモーガン・フリーマンやジェシカ・タンディの演技と相まってさすがにアカデミー作品賞だと思わせるものがあり、それを知らずにたまたま録画したのはラッキーとしか云いようがない。
【鳶(とび)の子がゆるり弧を描き春を告げ】
🔘庭の片隅で雑草に混じりホトケノザが春を告げている。